



鍵のない夢を見る
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3.9 • 131件の評価
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- ¥540
発行者による作品情報
望むことは、罪ですか? 誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったDV男との逃避行──。普通の町に生きるありふれた人々に、ふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる五篇。現代の地方の閉塞感を背景に、五人の女がささやかな夢を叶える鍵を求めてもがく様を、時に突き放し、時にそっと寄り添い描き出す。著者の巧みな筆が光る傑作。第147回直木賞受賞作!
APPLE BOOKSのレビュー
第147回(2012年上半期)直木賞受賞作。『鍵のない夢を見る』で受賞する前から、若い読者の間で青春ミステリーが人気だった辻村深月が、本作では主人公を大人の女性たちに設定。それぞれが地方都市でありきたりに見える日常を過ごしている。夢はある。でも、ここでずっと生きていくのかという閉塞(へいそく)感と恋愛対象の少なさにもがき、満たされない欲望を埋めようと、あらぬ方向へ走り出していく。恋愛の良さもうっとうしさも知り、就職や結婚、出産など人生経験を積んだ読者をドキッとさせる五つの短編連作集になった。最終編「君本家の誘拐」は辻村自身が出産直後に書いた作品。大型ショッピングモール近くの新築マンションに住み、帰りの遅い夫を待ちながら初めての育児に没頭する良枝。夫以外の大人とは会話もない。孤独と不安に駆られて心がエアポケットに入った瞬間、とあるミスを犯す。4編目「芹葉大学の夢と殺人」は、夢にのみ込まれた若者が正常さを失う物語で、若い女性に警鐘を鳴らす傑作。行き止まりの恋愛における悪夢とリアルを学んでほしい。
カスタマーレビュー
競馬歴50ねん
、
辻村深月の
残酷な女子達をよく集めたものだと
感心する。
恐ろしいことだ。