



死刑にいたる病
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3.4 • 1,146件の評価
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- ¥800
発行者による作品情報
鬱屈した大学生活を送る雅也は、連続殺人犯の大和から冤罪の証明を頼まれる。戸惑いつつ調査する雅也が辿りついた驚愕の真実とは。『チェインドッグ』改題文庫化。
APPLE BOOKSのレビュー
獄中のシリアルキラーと彼に魅入られる大学生の攻防を描くサイコサスペンス。阿部サダヲと岡田健史主演による映画化もされている作品だ。かつては神童と呼ばれたが受験に失敗し、Fラン大学の法学部に通う、筧井雅也。“理想の自分”との落差に悩み、鬱屈(うっくつ)した日々を過ごす彼に一通の手紙が届く。差出人は、10代の少年少女を中心に24件もの殺人容疑で逮捕され、一審で死刑判決が下された連続殺人鬼、榛村大和。彼は自身が営むベーカリーの常連だった少年時代の雅也を覚えており、「最後の一件だけは冤罪(えんざい)で、真犯人は他にいる」と打ち明ける。雅也は関係者を訪ね歩き、事件を再調査するが、そこには驚くべき真実が隠されていた…。榛村は凶悪な殺人者でありながら人を魅了し、その人物像は証言者によって激しく変転する。作中でも言及されるように実在の殺人鬼テッド・バンディをモデルにした悪魔的なキャラクターの榛村と、輝いていた子ども時代という卑小な選民意識をくすぐられ、過去を調べれば調べるほど榛村に取り込まれていく雅也。この2人の関係性は読みどころの一つだが、それが作者の仕掛けから読者の目を逸らす役割を担っている点も見逃せない。ミステリーとしても第一級のスリラー。
カスタマーレビュー
終始不穏な空気が漂う
派手な展開はないものの、終始どんよりとした不穏な空気が漂い、引き込まれました。
連続殺人犯の生い立ちに迫る描写は、「悪女について」を彷彿とさせました。
読み進めていくうちに、ドキドキしてきました。
すっかり、主人公の目線で読み進めていて
騙されている!
劣等感につけ込まれる怖さ!
ハマりました‥
映画化されて見たいと思ってたので読んでみたら
面白くて引き込まれていきました。
読んだ後になんとなく
落ち込みます‥