中陰の花
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4.2 • 6件の評価
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- ¥430
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発行者による作品情報
自ら予言した日に幽界へ旅立ったウメさんは、探し物を教えてくれる“おがみや”だった。臨済宗の僧侶である則道はその死をきっかけに、この世とあの世の中間=中陰(ちゅういん)の世界を受け入れ、みずからの夫婦関係をも改めて見つめ直していく──現役僧侶でもある著者が、生と死を独特の視点から描いて選考委員全員の支持を集めた、第125回芥川賞受賞の表題作。人口2万人の小さな町で、人目をしのんでひっそりと働き、暮らす女の日々を描く「朝顔の音」を併録。
APPLE BOOKSのレビュー
第125回(2001年上半期)芥川賞受賞作。現役の僧侶でもある著者が、主人公の目を通して、日本人の宗教観、死生観について問いかける。東北地方の臨済宗を宗派とする寺の住職が、自身の命日を予言してその通りに亡くなった老人の死をきっかけに、死というものについて考える。中陰とは、仏教でいう死後49日、この世とあの世のはざまにいる状態だという。とはいえ、あらゆる生命が輪廻(りんね)転生を繰り返すという仏教の世界観の中で、中陰がどういった状態なのか分かりにくい。それが幽霊のような状態なのか、特定の場所なのか、意識の有無など、さまざまな解釈が成り立つ。そんな難しいテーマだが、平易な文体で読みやすく、主人公と妻との会話にも温もりを感じる。登場人物がすべて主人公の師でもあるかのように、命と死というものへのヒントをもたらし、それが読者の中にも染み込んでくるよう。答えなど求めようもないことだが、読者それぞれが、それぞれの解釈で読めば良いと思わせる、懐の深さがある。