リボンちゃん
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- ¥1,600
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- ¥1,600
発行者による作品情報
“距離感”を描き続けてきた著者の最高傑作
光浦靖子さん推薦!
「針は心のあるべき場所に導いてくれる。大袈裟に言えば救い、手芸らしく地味に言えば楽しいからねえ」
街の小さなテーラーを舞台に、しなやかに生きる力をくれる物語。
☆デビュー10周年記念作品☆
あらすじ:幼い頃から可愛いものが大好きで、頭のリボンがトレードマークの百花。”よくわかんない店”で働きながら、マイペースに日々を過ごす彼女は、あるとき伯母の加代子が営むテーラーを手伝うことになる。女性であることを理由に、紳士服を作ることが許されなかった加代子は、夫亡き後、日用品を中心に製作しているが、あるとき「下着のリメイク」の依頼が届き、手芸好きの百花の力を借りることにしたのだった。
下着にまつわる固定観念を軽やかにすり抜け、読む人の心をそっと解きほぐす物語。
APPLE BOOKSのレビュー
さまざまな固定観念から人々を解き放つ物語を紡いできた作者、寺地はるなのデビュー10周年記念作品。節目の年にふさわしく、『リボンちゃん』は寺地のその持ち味が存分に生かされた一作となっている。主人公は大きなリボンがトレードマークの一風変わった少女、百花。百花は伯母、加代子のテーラーを手伝うことになるが、そこに舞い込んできたのは“下着のリメイク”という、これまた一風変わった依頼だった。しかしその奇妙なオーダーは、手芸好きの百花のユニークな感性によって思いもよらぬかたちへと昇華されていく。女性であるが故に紳士服の仕立てを許されなかった過去を持つ加代子もまた、姪との仕事の中で本当にやりたかったことを見いだしていくのだった。常識や規範から軽やかに逸脱していく彼女たちの姿が周囲の人々にも影響を与え、一人一人が自分らしさを見つめ直し、個性を花開かせる様は、まさに温かな解放の物語だといっていい。日常において“普通”とされている物事がなぜか自分にはフィットしない、という違和感を覚えた経験を持つ人は少なくないはず。本作はそんな私たちにも、胸のつかえが下りるようなひとときを与えてくれる。