西洋の敗北と日本の選択
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4.2 • 10件の評価
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発行者による作品情報
英語版以外の25カ国で翻訳され、日本でも累計9万部のベストセラー『西洋の敗北』の著者、エマニュエル・トッドの最新作。
〈私の多くの予言のなかでも「西洋の敗北」は、最もすぐに実現したものです。しかし「西洋の敗北」が具体的にどんな形をとるかは予言していません〉とトッド氏自身が述べているように、問題は、「西洋の敗北」がどんな形で現れるかだ。
すでに起きているウクライナ戦争、イスラエル・イラン紛争、トランプ関税、米欧の分裂と対立は、いずれも「西洋の敗北」が現実化したものである。
さらに今後、起きるのは、NATOの決裂か? ドル基軸体制の終焉か? 米国覇権の崩壊か? そして日米同盟はどうなるのか?
「西洋の敗北」「西洋の分裂」を受けて、日本はどうすればよいのか?
トッド氏はこう指摘する。
〈日本がかなり困難な状況にあることは間違いありません。米国が当てにならないなかで、中国と対峙しなければならないからです。
現状で私がお勧めしたいのは、欧州と米国のヒステリーに極力関わらず何もせずに静観すること、しかし密かに核武装を進めることです。
米国が自国の核を使って日本を守ることは絶対にあり得ない。核は「持たないか」「自前で持つか」以外に選択肢はないのです〉
カスタマーレビュー
「西洋」という前提を疑うきっかけに
ウクライナ戦争、米国、欧州、ロシアを「西洋の敗北」という視点から捉え直す一冊。読んで最も印象に残ったのは、内容そのもの以上に、西側の報道や価値観を当然の前提として世界を見ていた自分自身に気づかされたことだった。
「世界は米国を必要とする」のではなく「米国は世界を必要とする」という指摘は、これまでの国際情勢の見方を反転させるようで興味深い。また、米国の「核の傘」は幻想であり、日本は自国の安全保障を自ら考える必要があるという主張にも強く考えさせられた。
もちろん、トッドの主張すべてに賛同できるわけではない。しかし「被爆国だから核保有に反対する」という理念だけで、現実の日本の平和と安全を守れるのか。賛否を超えて、自分が無意識に置いていた前提を疑い、日本の立場から安全保障を考え直すきっかけを与えてくれる刺激的な一冊だった。