雷と走る
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4.5 • 2件の評価
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- ¥1,500
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発行者による作品情報
幼い頃海外で暮らしていたまどかは、番犬用の仔犬としてローデシアン・リッジバックの「虎」と出会った。唯一無二の相棒だったが、一家は帰国にあたり、犬を連れて行かない決断をして――。
APPLE BOOKSのレビュー
小学生の頃にアフリカのザンビアで過ごし、アメリカンスクールに通った経験を持つ直木賞作家の千早茜。当時の思い出が下敷きになっているかのような『雷と走る』は、犬好きに「飼う」ことを考えさせるストーリーだ。小学生の時に飼っていたローデシアン・リッジバックの“虎”との別れを、32歳になった今も引きずる主人公のまどか。アフリカ南部原産のローデシアン・リッジバックは、ライオンにもひるまない勇敢さで知られ、雄は体重が40キロ近くにもなる大型犬。高い塀に囲まれたアフリカの豪邸で、優秀な番犬として、時にまどかの遊び相手として一緒に暮らすことはできる。でも、鎖につながれたことがなく、時折、野性を爆発させる虎は日本では手に余る。分かっていても虎をアフリカの地に置いてきたことを悔やみ続け、まどかは「育てる」ことや人と関わることから一歩引くようになってしまう。虎と過ごした日々を懐かしむだけでなく、犬という動物の生態とどう猛さを、千早は冷静に描写する。そして犬を飼う責任にも触れる。どんな犬にも野性は潜んでいると。