見えない都市
-
-
3.0 • 1件の評価
-
-
- ¥1,000
-
- ¥1,000
発行者による作品情報
現代イタリア文学を代表し世界的に注目され続けている著者の名作。マルコ・ポーロがフビライ汗の寵臣となって、様々な空想都市(巨大都市、無形都市など)の奇妙で不思議な報告を描く幻想小説の極致。
APPLE BOOKSのレビュー
20世紀のイタリア文学を代表する作家、評論家にして"文学の魔術師"と評されるイタロ・カルヴィーノが1972年に発表した幻想小説の名作。「東方見聞録」を下敷きに、マルコ・ポーロがフビライ汗に報告するという体裁で語られる55の都市の様子は、どれも奇妙で摩訶不思議。蜘蛛の巣のように浮かぶ空中都市、ガラス球の中に無限に映る空色の都市など、作者の縦横無尽な想像力で幻視される数々の空想都市は、現実にはあり得ない姿でありながら、のちの現代社会を鋭く言い当てている。禅問答のようなマルコ・ポーロとフビライ汗の対話を外枠とした物語として各章を構成し、「都市と記憶」、「都市と欲望」、「都市と記号」など11のテーマにそれぞれ5編の見聞記を全9章に並べた配置も巧緻(こうち)を極めている。その曼荼羅のような無限性を持った数学的な構築美に、誰もが驚嘆するだろう。都市論や文明論としても、はたまた美しい夢想の断片が連なる散文詩としても読むことができる。時代を超えても古びることのない、知的な一冊。