セロトニン
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4.0 • 1件の評価
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- ¥1,200
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発行者による作品情報
巨大化学企業を退職した若い男が、過去に愛した女性の甘い追憶と暗い呪詛を交えて語る現代社会への深い絶望。白い錠剤を前に語られる新たな予言の書。世界で大きな反響を呼んだベストセラー。
APPLE BOOKSのレビュー
2022年のフランス大統領選で同時テロが多発し、穏健派のイスラム政権が誕生する近未来を描いた前作「服従」が物議を醸したミシェル・ウエルベックによる、4年ぶりの長編小説。フロラン=クロード、46歳。巨大バイオ企業を退職し、農業食糧庁の契約調査員として無意味な報告書を作成する彼は、仕事にも私生活にも絶望していた。仕事を辞めたフロランは、同棲相手の日本人女性ユズとの冷めきった関係を避け、酪農を営む旧友を訪ねる旅に出るが...。外面的には満たされているのに、諦念と孤独を拭うことのできないフロランの日々を、一人語りで描いていく。そんな個人主義の幸福を追求した都市生活者の惨めさには、誰しも共感を覚えるだろう。自由貿易がもたらしたフランス農業の現状と、登場人物の精神の荒廃がリンクする構成も巧みで、酪農家と保安機動隊の闘争の場面は「黄色いベスト」運動に重なるともいえる。生きる希望はないが、死ぬほどの理由もない。個人主義と性的充実を誇った男の緩やかな終焉が、現代社会の比喩とも取れる見事な風刺小説。