思春期ポストモダン 成熟はいかにして可能か
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発行者による作品情報
メール依存、自傷、解離、ひきこもり……「非社会化=未成熟」で特徴づけられる現代の若者問題。しかし、これらを社会のせい、個人のせいと白黒つけることには何の意味もない。彼らが直面する危機は、個人の未熟さを許容する近代成熟社会と、そこで大人になることを強いられる個人との「関係」がもたらす病理だからだ。「社会参加」を前に立ちすくみ、確信的に絶望する若者たちに、大人はどんな成熟のモデルを示すべきなのか? 豊富な臨床経験と深い洞察から問う、若者問題への処方箋。
カスタマーレビュー
まなびょん
、
自分の足で歩く
人が自らの呪縛に陥るのは、「想像」し過ぎるためではないか。読んでいてそう思った。印象論的思考や、問題の真の解決ではなく解決「策」のみの思索、焦燥感や不快な感覚への執着などが自身を呪縛する。しかし人間を想像へ追いやる原因には、社会的な関係性が潜んでいる。自分を「駄目」だと考えるのも、様々な批評(ダメ出し)も、全て社会との関係性が生み、社会的言語を使って行われる。言語によって自分自身を祝ったり呪ったりする。自分を呪いから解除する為には、想像から離れ、自分の足で歩く事の喜びを信じる事だ。