NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 最期のことば
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- ¥880
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発行者による作品情報
ブッダの死後に編纂された「マハーパリニッバーナ・スッタンタ(涅槃経)」には、ブッダの最後の旅の様子がストーリー仕立てで描かれている。ブッダが自らの死によって示した「人間のあり方」、そして2500年受け継がれる「組織のあり方」を読み解く。特別章「二つの『涅槃経』」を収載。
カスタマーレビュー
釈迦の教えが21世紀日本で生き残るための本
釈迦の教は、時とともに「二カーヤ(阿含経)とは全く違う思想を解く、新興の仏教が続々と登場した」
大乗仏教もその一つである。ネパールの神秘性の影響を受け、中国で儒教の影響を受け、日本に伝わった時点で、合理的・客観的な哲学である「釈迦の教え」とはかけ離れた宗教になってしまった。
ブッダの意思に反して、キリスト教のように「キリストの教えを全人類に広めよ」とばかりに宗派同士での争いや「お布施」に頼った宗教に成り下がった。法事にはバイクで、自宅にはベンツというお寺も多いはず。
21世紀の人々は、余程こころやからだが弱っていない限り、奇跡や絶対的存在を信じる人はいないでしょう。「ブッタの教え」もどきの大乗仏教では、まして葬式仏教と言われているようでは、生き残れないと思います。特に、大正以降正当な上部座仏教の存在が知れ渡った21世紀では。
「釈迦の教えは、外部の絶対存在に全てをゆだねる「信仰の世界」ではないのです」
「仏教のことを、祈ったり拝んだりして、外界の不思議なパワーで助けてもらう宗教だと思っている方は多いお思いますが、釈迦の教えは堅実な生活を送りながら、煩悩を一つずつ消していって、一歩一歩悟りへと近づいていくのが本来の目的なのです」
「ブッダという人はキリストやムハンマドのように、神の言葉を人間に伝える伝達者ではありません。ブッダは「全知全能の救済者などどこにもいない」という確信のもと「普通の人間が自分の力で究極の安楽を見出すにはどうしたらよいか」という問題を自力で解決し、それを周りの人にも教えてくれた、一人の人間です」これが真実であると思います。
現実には大乗仏教の立場でいらっしゃる著者のこの言葉が、日本の仏教が生き残る道であると思います。