井田由美で聴く「智恵子抄」 ラジオ日本聴く図書室シリーズ第14弾
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発行者による作品情報
ラジオ日本・聴く図書室第14弾は、高村光太郎著の「智恵子抄(ちえこしょう)」。「智恵子抄」は、彫刻家で詩人の高村光太郎が、妻・智恵子と結婚する以前(1911年)から彼女の死後までの、およそ40年間を綴った、内容も、その期間も壮絶な愛の詩集である。光太郎の年齢でいうと29歳から69歳までの40余年もの長期にかけて、1人の女性を対象とした愛の詩を書き続けたのである。したがって「智恵子抄」の作品には恋愛と結婚、狂ってしまった智恵子夫人とその死、なき夫人への追慕といった2人の愛と生活の全てが織り込まれている。しかし、この詩集は甘い愛の追憶ではない。愛は怒涛の様に凄まじい・・・教科書に載った「レモン哀歌」の印象しかない者には脳天に杭を打たれた程の衝撃だろう。光太郎は「智恵子抄は徹頭徹尾苦しく悲しい詩集であった。」と語っている。生涯をつらぬいてひとりの女性を愛し通したという光太郎の愛は、歪んだ恋愛や乱れた性が氾濫する現代、多くの者に「愛」を見つめ直す素晴らしい機会となるだろう。(C)ラジオ日本