宮沢賢治 05「雨ニモマケズ」
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発行者による作品情報
『雨ニモマケズ』 この作品は作者である宮沢賢治の没後に発見された手帳に書かれていたメモであり、この手帳の存在は賢治の生前には家族にも知られておらず、本作が最初に活字化されたのは、没後1年を経たのちであった。 【雨にも負けず 風にも負けず 雪にも 夏の暑さにも負けぬ 丈夫な体を持ち 欲はなく 決して怒らず いつも静かに笑っている 一日に玄米4合と 味噌と少しの野菜を食べ あらゆることを自分を勘定に入れずに よく見聞きし 分かり そして忘れず 野原の松の林の陰の小さな茅葺き小屋にいて 東に病気の子どもあれば行って看病してやり 西に疲れた母あれば行ってその稲の束を負い 南に死にそうな人あれば行って怖がらなくてもいいと言い 北に喧嘩や訴訟があればつまらないからやめろと言い 日照りの時は涙を流し 寒さの夏はおろおろ歩き みんなにデクノボーと呼ばれ ほめられもせず 苦にもされず そういうものに わたしはなりたい】 宮沢賢治の代表的な作品です。オーディオブックで聴いてみてください。 「春と修羅」序 「永訣の朝」 「猫の事務所」を同時収録。