神坂次郎 「今日われ生きてあり」(抄) - Wisの朗読シリーズ(5) -
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発行者による作品情報
陸軍最後の特攻基地、知覧―。美しい開聞岳の姿を心に灼きつけ、沖縄への還らざる壮途についた特攻隊員462名。出撃機数431機。この山に、万感の思いで祖国への訣別の挙手の礼を捧げる少年兵もいたという。32年の歳月を経て、新婚の想い出に買った赤い手帖が、血と油と海水に染みて奇跡的に戻ってきた新婦の回想(第8話)。幼い娘とまだ見ぬ愛し子に宛て、今後を託し励ます父の手紙(第11話)。父母が亡くなり一人残された幼い妹を案じながら出撃していった兄の最後の手紙(第14話)。祖国を想い、愛しい肉親の姿を胸に、特攻散華した隊員の鎮魂歌・・・。「今日われ生きてあり」より3篇を抜粋。(C)wis
カスタマーレビュー
これは、胸を揺すぶります・・・
これは大げさでなく、胸を揺すぶります。
新婚半年で別れなければならなかった夫の手帳が30数年ぶりに奇跡的に戻ってきた妻の回想・・・・。
最初の「海紅豆咲くころ」だけでも聴いていただきたい作品です(実録ですが・・・)。
他の2作品も、淡々と読まれていることもあって、かえってこみ上げるものがあります。
この神坂次郎さんの名著「今日われ生きてあり」は、TBSのイケめんアナウンサー安東弘樹さんが
座右の書としていて、その婚約者に贈ったところ、婚約者だけでなくそのご家族も号泣したと、
テレビで紹介されていたそうです。
また、戦後60年記念企画の前進座公演が好評を博し、東京公演では立ち見も出たほどの盛況
だった由。
終戦の暑い夏に聴き入りたい作品です。
なお、最初の「海紅豆咲くころ」は、日本ペンクラブの「電子文藝館」に掲載され、ウェブで読むこと
ができます。
聴き応え有り!
相変わらずに物語の世界に引き込む朗読者の牽引力に拍手。