あいては人か 話が通じないときワニかもしれませ‪ん‬

APPLE BOOKSのレビュー

行動科学の研究者であるレーナ・スコーグホルムが、脳のメカニズムを理解して、他人とのコミュニケーションを円滑にする方法を指南する『あいては人か 話が通じないときワニかもしれません』。本書が教えてくれるのは、論理的な能力を司る「ヒト脳」、感情を司る「サル脳」、そして本能を司る「ワニ脳」という、人間の脳にある三つの層の存在だ。アルコールを飲み過ぎると脳の機能が鈍くなるように、人間はストレスにさらされると脳の機能を「ヒト脳」「サル脳」「ワニ脳」の順に停止させてしまう。つまり、相手がどの“モード”にあるのかを認識して適切な対話を行えば、良い人間関係を築くことができるという。顧客や同僚、家族や友人との日々のコミュニケーションに役立つ考え方やテクニックを教えながら、本書が重要視するのは「自分をケアする」こと。自分自身が論理の通じない「ワニ脳」にならないために大切なのは、休憩を取ること、エネルギーを補給すること、いつでもポジティブな状態を作ることだ。世界の幸福度ランキングでも常に上位のスウェーデンでベストセラーとなった本書には、忙しい現代を幸せに生きるためのたくさんのヒントが詰まっている。