いのちの初夜
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4.5 • 33件の評価
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発行者による作品情報
現在では治療方法が確立されたハンセン病(癩病)だが、昭和初期では不治の病とされ、患者は一般社会から隔離されて専門の施設に隔離された。癩病と診断されることが、即ち生きながらの死亡宣告のような意味を持っていたのである。自身も癩病患者であった作者の体験的な作品「いのちの初夜」は、癩病院への入所という絶望の中から不死鳥のような命の叫びを感じさせてくれる。昭和11年雑誌「文学界」2月号に発表された本作品は大反響を呼び、文学界賞を受賞、英・独語にも翻訳されている。