うつな人ほど成功できる
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発行者による作品情報
はじめに
「うつは、あなたの人生を豊かにする」
突然そう言われても、にわかには信じられないと思います。
「うつ」にどんなイメージをお持ちでしょうか。
「無気力になる」「会社に行けなくなる」「集中力がなくなる」など、あまりよいイメージではないと思います。
あまり知られていなかった頃は「うつは心の弱い人がかかる病気」と言われることもよくありました。
日本では、一五人に一人が生涯でうつを経験するとされています。
うつは、誰もがなる可能性のある病気なのです。
「うつなんて自分には関係ない」と思っていた私も、うつになったのですから。
私がうつになったのは、二〇〇九年十一月のことです。最初は「身体の調子がおかしい」程度だったのが、だんだん字が書けない、忘れ物を繰り返すなど、普通でない症状が出始めました。
うつが悪化して仕事場で倒れ、救急車で病院に運ばれたのは、二〇一〇年四月です。
その後、生まれ故郷に戻り、三カ月の入院生活を送りました。
うつのときは、とても苦しい状態でした。身体の不調に加え、迫りくる恐怖感、強い不安などに襲われ、なんの希望も持てませんでした。
どん底に落ちた私を救ってくれたのが、家族の絆、友人たちの温かい励まし、病院で出会った、うつからの復活を目指す仲間たちとの友情でした。
私はうつになった気づいたこと、学んだことが山ほどあります。人生観もかなり変わりました。
人間、一人では決して生きられないということも、身をもって実感しました。
恥ずかしながら、私はこれまでずっと一人でやってきた、自分の力で運命を切り開いてきたと思っていました。
それは間違いで、多くの人に支えられていたことに、うつになって気づいたのです。
また、うつから脱した人、うつになりやすい人ほど、成功の要素を持ち合わせていることを、私は身をもって発見しました。どんなものがあるかはこれからお読みいただくとして、うつを経験したことで、私の人生は楽しく豊かになったのです。
この本では、うつな人ほど成功する根拠を、私自身の体験をベースに説いています。うつはつらいものですが、克服したときには、新たな世界が広がっています。それを実感いただけると思います。
つらい、苦しい、うつな気分だと感じているとき。あるいは、周りにうつで苦しんでいる人がいるとき、この本をお役立ていただければ、うれしく思います。
浜田 幸一