ぶんぶく茶釜 ぶんぶく茶釜
赤本(国立国会図書館蔵書)

ぶんぶく茶‪釜‬

    • 4.3 • 3件の評価

発行者による作品情報

赤本1冊。鱗形屋版。題名を「ふんふく茶釜(ルビ=ちやかま)」と書き3ウ4オの茶釜になった狢(狸の誤称)の場面を大きく描いた題簽のある完本。昔話もので、草双紙としては赤小本『京東山化け狐』の系統とみられる。東山殿の茶道坊主ぶん福が秋の山へ行楽に出、谷底を見ると古狢が藻を被っていろいろに化ける。ぶん福は羽織を被って「風流相生獅子」などを歌いながら踊り、狢も踊るところを捕まえて縛る。ぶん福は、仲間のぶん徳、福阿弥、ぶんさいに獲物を自慢し「晩には狢の吸い物で飲もう」と提案。ぶん福は狢を俎に乗せ料理しようとする。狢は空死に(そらじに)して油断させ、逃げ出したが四人の坊主に追い詰められ、叢に逃げ込んで茶釜に化ける。四人は茶釜を拾い持ち帰って湯をわかす。狢は次第に熱くなり正体を現す。四人はあきれて「ぶんぶく茶釜に毛が生えた」と囃したてる。四人の坊主が狢に化かされた事を東山殿は不届きと思し召され、全員裸にして追出す。四人が当てもなく野に伏せっていた時、狢は例の八畳敷を広げ「どうだ坊主ども、暖かで良かろ」と四人に被せる。四人は夢うつつに生臭く心地わるい。茶道坊主たちは難なくまた狢を捕らえ、御前に引き据えてご褒美にあずかる。という大らかな作品。近藤清春画『ぶんぶく茶釜』の改作とみられ、「風流相生獅子」の文句があるので享保19年(1734)以降の成立。狢が四人に八畳敷を被せる場面など、歌川国芳の戯画「狸の」シリーズはこれら『ぶんぶく茶釜』の赤本による着想ではないかと想像している。(木村八重子)参考資料:『近世子どもの絵本集』江戸篇(国立国会図書館デジタルコレクション解題より)

このブックは、国立国会図書館デジタルコレクションに掲載されてる書籍・資料で著作権の保護期間が満了している図書、古典籍です。電子書籍としてご覧頂くために画像加工や資料の統合をしています。

タイトルヨミ:ブンブクチャガマ
シリーズ名ヨミ:アカホン コクリツコッカイトショカンゾウショ
種類:赤本

  • ジャンル
    小説/文学
    発売日
    2015年
    8月26日
    言語
    JA
    日本語
    ページ数
    20
    ページ
    発行者
    Public Domain
    販売元
    Public Domain
    サイズ
    40.6
    MB
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