ほかならぬ人へ
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3.6 • 125件の評価
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発行者による作品情報
「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」――愛するべき真の相手はどこにいるのだろう?「恋愛の本質」に果敢に挑み、描き上げた“もっとも純粋な”恋愛小説。第142回直木賞受賞作!
APPLE BOOKSのレビュー
第142回(2009年下半期)直木賞受賞作。恵まれた環境に生まれながらも、心に空洞を抱えた主人公を描く2編を収録。表題作では、名家の三男でありながら「生まれそこなった」と感じている宇津木明生が、妻のなずなから別居を切り出される。道理が通らない妻の言い分に戸惑いながら、どこか人ごとのように構える明生。離婚経験のある女性上司と飲み交わしては、すれ違いの生じた結婚生活について思いを巡らせる。他の男と恋愛沙汰を巻き起こすなずなに対し、人生を諦めたように生きる明生は一見、淡々と自分の運命を受け入れている。そんな彼がただ一度感情をあらわにする時、彼は“ほかならぬ人”と出会ったのだと読者は実感できる。もう一編の「かけがえのない人へ」は、運命的とは言いがたい男女の乱れた関係を描きつつ、その心の奥に潜む孤独と未熟な愛を浮き彫りにする。人は、人生を共に歩めるような人とどのように出会い、互いを認識し、手を取り合えるのか。あるいは手を取り合えずに終わるのか。大人らしく振る舞いながら不器用に生きる登場人物たちの思いが胸に迫る。
カスタマーレビュー
決してチープではない恋愛小説
1つ目の章
扱う題材が重いということもあるが、愛って何なのか、改めて感じさせる作品
この年齢になって読んだ恋愛小説で涙が出そうになったのは久しぶり
2つ目の章
一つ目の方が強烈に感情を揺さぶるので薄れてしまうが、悪くない作品
どちらかと言うとありのままの女性の本心が中心なのかな、と思う
蛇足かな、と思うのが会社のこと。あんな説明要らないし読むのが面倒になってしまう
芥川賞を取ったのもうなずける傑作
とても面白い
次のページをどんどんめくりたくなる小説です
恋愛小説でとても現実にありそうな話でとても読んでいてゾクゾクします。