むかえびと
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4.4 • 11件の評価
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- ¥660
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発行者による作品情報
小さく、か弱い命を守るために奔走する助産師〈むかえびと〉たちを描く! 有田美歩はキャリア六年目の助産師。勤務先のローズ産婦人科病院は、院長自身の医師としての実力や経営方針にやや問題を抱えているが、この仕事に誇りを持つ先輩や同僚、腕利き医師の存在に支えられ、命に寄り添う仕事に臨んでいる。飛び込み出産、新生児連れ去り、産婦の緊急搬送……一分一秒を争う命の現場で働く「むかえびと」の姿をリアルに描く渾身の医療小説。解説/三浦天紗子 (『闇から届く命』改題)
APPLE BOOKSのレビュー
「命を一番初めに迎える人=むかえびと」と呼ばれる助産師を主人公に、この世に新しく生まれてくる命の現場で奮闘する人々を描くヒューマンドラマ。ローズ産婦人科病院で働く助産師6年目の有田美歩は、どんな妊婦も受け入れるという病院の方針で休む暇なく夜勤続きの日々を送っている。頼りがいのあるベテラン助産師の草間さん、国内外でボランティア活動を行う精力的な助産師の辻門さん、そして仲のいい後輩助産師の理央と、院長や師長をのぞいては、命に真剣に向き合う同志として良いチームの中で働いていた。ある夜、無愛想だがどんな時間でも飛んできてくれる佐野医師と共に、妊婦検診を一度も受けていない飛び込みの妊婦の出産に立ち会うことになる…。一刻を争う母と子の命懸けの現場で奔走する助産師や医師たちの胸には、大きな喜びだけではなく、悲しみや苦しみの葛藤もあふれている。おなかに宿った小さな命が生きてこの世界にやってくることは奇跡だ。小さな命を守りたい、その強い思いを胸に、懸命に母と子に向き合うむかえびとたちに心から賞賛し、敬意を抱かずにはいられない。