わかれ道
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Publisher Description
傘屋の奉公人である少年の吉三。将来を絶望している捨て子の吉三は、針仕事をしているお京の家へ毎晩のように通い、お京を姉のように慕う。十二月三十日の夜、お京から、ある邸(やしき)の妾(めかけ)になるから、もう逢えなくなると聞かされた吉三は…。「ああつまらない面白くない、己(お)れは本当(ほんと)に何と言ふのだらう、いろいろの人がちよつと好い顔を見せて直様(すぐさま)つまらない事に成つてしまふのだ」。女性が一人で生きていくことの困難さと、天涯孤独な少年の悲嘆を描いてぐっとくるものがある。