ギケイキ2 奈落への飛翔
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2.0 • 1件の評価
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- ¥950
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発行者による作品情報
日本史上屈指のヒーロー源義経が、千年の時を超え自らの物語を語る! 兄頼朝との再会と対立、恋人静との別れ…古典『義経記』が超絶文体で現代に甦る、抱腹絶倒の超大作小説、第2巻。解説=高野秀行
APPLE BOOKSのレビュー
「ギケイキ 千年の流転」の続編にあたる作品。1作目に引き続き、日本の古典「義経記」に独自の解釈を加えながら、主人公、源義経の視点を通して物語が語られていく。今作は、兄の源頼朝との感動の再会から幕を開けるが、超人的能力で平家を滅ぼした軍功の義経を恐れて、頼朝は彼の元に刺客を送り込む。後世に名を刻む武蔵坊弁慶など、部下たちの大活躍で敵を打ち破った義経だったが、それを発端に兄と対立。恋人の静や部下たちと共に、体制を立て直すために西国へ船を出すのだが…。タイトルの通り、平家征伐の英雄でありながら悲劇の人生へと転がり落ちて行く義経の姿を、飄々(ひょうひょう)と笑い飛ばしながら、滑稽に描いていく。事の行く末をすでに知っている俯瞰視点の自虐的なギャグにはじまり、敵や部下への悪たれ口、はたまた現代の読者に向けられた毒に至るまで、人間臭さが爆発した町田康節が冴え渡っている。