クリスマス・カロル
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3.7 • 32件の評価
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発行者による作品情報
イギリスの文豪、チャールズ・ディケンズの中篇小説で、1843年に『クリスマ・ブックス』の第1作として出版された。主人公は、けちで冷酷な商人、スクルージ。あるクリスマスの前夜、亡くなった共同経営者マーレイの幽霊が現れ、金銭欲や物欲にとらわれた人間がいかに悲惨な運命を迎えることになるか言い聞かせる。そして、3人の精霊によって、過去、現在および未来の自分の姿を見せつけられたスクルージは……。ディケンズを世界的に著名な作家とした記念碑的な作品。これ以後、ディケンズは5年にわたってクリスマスをテーマにした作品を次々と発表、『クリスマス・ブックス』としてまとめられた。
APPLE BOOKSのレビュー
クリスマスに起きた奇跡を描き、時代や世代を超えて世界中で愛されているチャールズ・ディケンズの不朽の名作『クリスマス・カロル』。19世紀、産業革命期のイギリスを舞台に、強欲非道の男が過去、現在、未来とトリップし、人を思いやる心を取り戻すファンタジー。慈善家のディケンズがロンドンで訪れた貧しい子どもたちの通う学校が、この物語の着想を得るきっかけの一つになったという。スクルージ・エンド・マアレイ商会を運営するスクルージは、強欲非道で貪欲なじいさんであった。クリスマスの夕食に誘いに来たおいにも、クリスマス休暇を頼みに来た事務所の書記にも冷たく当たった彼の元に、7年前に死んだ同僚のマアレイが亡霊となって現れる。鎖でつながれたマアレイは、このまま今のように生きると自分のように悲惨な死後となること、そしてこれから3人の精霊がやって来ることをスクルージに伝える。第一の精霊はまだ夢を持っていたスクルージの少年時代と青年時代を見せ、第二の精霊はおいや書記の家庭に導き、第三の精霊はある男が死んだ後の様子を見せる…。映画や舞台、アニメ、絵本などさまざまな形で表現されてきた本作は、未来はいつでも自分次第で変えることができると人々に教えてくれる。