サルトル (Century Books―人と思想)
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3.0 • 1件の評価
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発行者による作品情報
「人と思想」は、世界の思想家の生涯とその思想を、当時の社会的背景にふれながら、立体的に解明した思想の入門書です。思想家の生涯を交友関係や、エピソードなどにもふれて、興味深く克明に記述、その主要著書を選択して、概説とその中心となる思想を、わかりやすく紹介してあります。平易な記述と生き生きとした表現を心がけ、新鮮な印象が残るように努めました。一般の方々のハンディな教養書として、また学生・生徒の参考読物として、広く本書をおすすめします。
【Century Books】人と思想 34 サルトル
もし、「現代に生きるサルトル」ということばが、サルトルの表面を飾るにふさわしいことばであるとするなら、「ボーヴォワールとともに生きるサルトル」という表現は、サルトルの内面を飾るにふさわしい。ともに哲学を愛し、ともに文学を愛しつづけた二人の生涯を前にして、わたしは何かある誇りのようなものを感ずる。その誇りの感情は、ひとりの人間が他の人間によせることのできる、現代ではむしろまれになってしまった感情なのだ。
ボーヴォワールにとって、サルトルの存在は唯一最大の誇りであったと同じように、サルトルにとってもボーヴォワールの存在は唯一最大の誇りであったにちがいない。