ヒューム (Century Books―人と思想)
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- ¥850
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発行者による作品情報
「人と思想」は、世界の思想家の生涯とその思想を、当時の社会的背景にふれながら、立体的に解明した思想の入門書です。思想家の生涯を交友関係や、エピソードなどにもふれて、興味深く克明に記述、その主要著書を選択して、概説とその中心となる思想を、わかりやすく紹介してあります。平易な記述と生き生きとした表現を心がけ、新鮮な印象が残るように努めました。一般の方々のハンディな教養書として、また学生・生徒の参考読物として、広く本書をおすすめします。
【Century Books】人と思想 80 ヒューム
ヒュームは、1739年から1752年にかけて、かれの哲学的成果を次々に公刊した。それは思想の流れの転換点を示すものであった。だが、主著『人性論』は、「印刷機から死んで産れた」と書かれたように、ほとんど注目されなかった。それ以後も、ヒュームの思想の評価は、一般的には一面的で消極的なものであった。
しかし、1960年代以降、ヒューム研究が哲学・宗教・政治・経済・歴史・社会思想の分野で着実に進められるとともに、ヒュームの多角的で独創的な思想内容がしだいに解明されるようになった。
ヒュームは、人間学を基礎として諸学の完全な体系を構築しようとした。かれの視野の広さと鋭利な考察は、諸科学の分化と専門化のなかで混迷を続ける現代において、多くの示唆を与え続けるであろう。