ザ・ロイヤルファミリー(新潮文庫)
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4.2 • 67件の評価
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- ¥1,000
発行者による作品情報
お前に一つだけ伝えておく。絶対に俺を裏切るな――。父を亡くし、空虚な心を持て余した税理士の栗須栄治はビギナーズラックで当てた馬券を縁に、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書として働くことに。競馬に熱中し、〈ロイヤル〉の名を冠した馬の勝利を求める山王と共に有馬記念を目指し……。馬主一家の波瀾に満ちた20年間を描く長編。山本周五郎賞受賞作!(解説・今野敏)
APPLE BOOKSのレビュー
思いの継承、血の継承。競馬界を舞台に、世代を超えて夢と情熱に動かされる父と子の20年間の軌跡を描く物語。2025年にテレビドラマ化。いつか一緒に働くことを夢見ていた父を亡くし、空虚な日々を過ごす税理士の栗須栄治は、大学時代の友人を通じて買った馬券を縁に、人材派遣会社のワンマン社長、山王耕造の秘書となる。栗須がビギナーズラックで当てた馬の馬主である山王は、人生を懸けて競馬にのめり込み「ロイヤル」の名を冠した馬で有馬記念の勝利を目指すが…。馬主、生産者、調教師、騎手など、競馬関係者への綿密な取材に基づく圧倒的なリアリティ、毀誉褒貶(きよほうへん)半ばする山王社長など人物造形の確かさ、迫真のレースシーンと、読みどころ満載の大長編だが、主役となる馬主、馬や騎手が途中で入れ替わり、次世代への継承を描いていく大胆な2部構成にも舌を巻く。英国の名家に従事した執事の視点で描くカズオ イシグロの『日の名残り』を意識し、「ですます」調で通した語り部の栗須だけが、馬主の夢の、馬の血の、騎手の思いの継承を目撃する小説技巧も素晴らしい。すべての息子は父親を超えていかねばならないというテーマも熱く、幕切れも見事な傑作。
カスタマーレビュー
6ban@
、
わかりやすい小説
単純です。