



シルマリルの物語
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4.3 • 4件の評価
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- ¥3,600
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発行者による作品情報
この物語はトールキンの死後、息子のクリストファーの編集で出版されたが、骨組み自体は『指輪物語』よりずっと以前に出来上がっていた。そのため、本書で語られる事柄は、後の作品の中で、時に伝説として顔を出す。本書には「シルマリルの物語」のほかに四つの作品が含まれているが、それにより、宇宙創成の時(神とヴァラールの顕現)から第三紀末に至る歴史の全容が示されている。さて、話はエルフ(最初に生まれた者たち)の歴史へと移っていく。エルフの技により三つの大宝玉シルマリルは生み出された。しかし、大敵によって宝玉は奪われてしまう。この物語は、宝玉奪還のため神々に背き楽園を去ったエルフたちの、かの大敵に対する戦いの歴史を記したものである。物語の最後には、破壊的な大地変動がもたらされ、古の代、長い第一紀の世は、過ぎ去っていくのだった。
APPLE BOOKSのレビュー
『指輪物語』の世界を第3紀とするならば、それよりはるか昔にさかのぼった第1紀の事跡を記した神話大全とでもいうべき書『シルマリルの物語』。『指輪物語』の作者J.R.R.トールキンの死後、息子クリストファ氏の編集によって出版。この創生神話はトールキンが『指輪物語』を執筆するずっと前より長年をかけて心を傾けてきた仕事であった。本書では、唯一なる神“エル”による天地創造、不死のエルフと有限の命を持つ人間の誕生、そして1代目の冥王モルゴスにより奪われたエルフの大宝玉“シルマリル”奪回のための戦いの歴史とドラマが記されている。そして終わりの2編である「アカルラベース」と「力の指輪と第三紀のこと」は、『指輪物語』から本書を知ることになった読者にとって、アラゴルンの祖先や指輪、魔法使いについての新たな発見を与えてくれるだろう。このように、本書で語られる事項はシリーズ作品の中で伝説として顔を出すので、それと照らし合わせながら読むのも楽しいかもしれない。小説の域を超えた、壮大なスケールの歴史物語に出てくる膨大な数の固有名詞に挫折しないように、巻末の「語句解説及び索引」を使いながら読み進めるのがおすすめだ。