センスの哲学
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- ¥1,700
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発行者による作品情報
あなたのセンスが良くなる本!
哲学三部作のラストを飾る一冊がついに誕生
服選びや食事の店選び、インテリアのレイアウトや仕事の筋まで、さまざまなジャンルについて言われる「センスがいい」「悪い」という言葉。あるいは、「あの人はアートがわかる」「音楽がわかる」という芸術的センスを捉えた発言。
何か自分の体質について言われているようで、どうにもできない部分に関わっているようで、気になって仕方がない。このいわく言い難い、因数分解の難しい「センス」とは何か?果たしてセンスの良さは変えられるのか?
音楽、絵画、小説、映画……芸術的諸ジャンルを横断しながら考える「センスの哲学」にして、芸術入門の書。
フォーマリスト的に形を捉え、そのリズムを楽しむために。
哲学・思想と小説・美術の両輪で活躍する著者による哲学三部作(『勉強の哲学』『現代思想入門』)の最終作、満を持していよいよ誕生!
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さて、実は、この本は「センスが良くなる本」です。
と言うと、そんなバカな、「お前にセンスがわかるのか」と非難が飛んでくるんじゃないかと思うんですが……ひとまず、そう言ってみましょう。
「センスが良くなる」というのは、まあ、ハッタリだと思ってください。この本によって、皆さんが期待されている意味で「センスが良くなる」かどうかは、わかりません。ただ、ものを見るときの「ある感覚」が伝わってほしいと希望しています(「はじめに」より)。
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APPLE BOOKSのレビュー
哲学研究者でありながら美術制作も行い、小説家としても数々の文学賞を受賞した千葉雅也が、「センス」とは何かを探る一冊。『勉強の哲学 来たるべきバカのために』『現代思想入門』から続く哲学3部作を締めくくる本書は、仕事の仕方から食事の店選び、アートや音楽、さらにはファッションや部屋づくりまで、さまざまな場面で出会う「センスが良い」「悪い」という感覚を大きなテーマとして取り上げる。「センス」の言葉自体は感覚的に使われているが、その良しあしはどこから来るのか、どうすればセンスは良くできるのか。センスを巡る問いを哲学の視点から解き明かし、「ものの見方」を伝える必読の芸術入門書だ。生まれながらの才能や体質のように捉えられることも多いセンスは、楽しみながら育てることが可能であると著者は言う。センスとは感覚と思考の結び付きであり、本書が丁寧に示してくれる「意味」や「リズム」「並び」などの構造を理解して意識的になれば、世界の見え方が少し変わるはず。巻末には、芸術と生活をつなげるための方法を提案する付録と読書ガイドも付いており、すぐに実践にトライできる配慮もうれしい。