トヨトミの世襲~小説・巨大自動車企業~
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- ¥1,800
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発行者による作品情報
衝撃の巨大自動車企業小説、ついに完結!
「99%が真実」という噂で書店から本が消えた!?
気鋭の経済記者が「覆面作家」となって、初めて書くことができた「世界一の自動車メーカー」禁断の真実。あまりに詳しすぎる内部情報や関係者しか知らない極秘ネタを小説に偽装したノンフィクションではないか……そう噂され、発売と同時にベストセラーとなった超問題作『トヨトミの野望』と続編『トヨトミの逆襲』。その「完結作」がついに発売!
世界中を襲った未曾有のパンデミックのなか、巨大自動車会社トヨトミも待ったなしのEV(電気自動車)シフト転換を迫られていた。しかし、販売ディーラーの相次ぐ「不正事件」や持ち株比率たった2%の創業家の「世襲問題」など暗雲が垂れ込める。カギを握るのは“トヨトミの母”と呼ばれる元女優の謎の老女。彼女がひた隠す「豊臣家の秘密」とは──。
「本書の内容のどこまでが事実でどこまでがフィクションなのか。これについて、巨大自動車企業に極めて近い経営者は99%が事実と私に言い切った」(夏野剛氏、『トヨトミの野望』文庫版解説より)綿密な取材をもとに描き、経済界を震撼させてきたトヨトミシリーズ。
その“衝撃のラスト”を見逃すな!
APPLE BOOKSのレビュー
経済記者の覆面作家、梶山三郎が、誰もが知る自動車メーカーをモデルに描いた『トヨトミの野望』『トヨトミの逆襲』に続く第3作。新型コロナウイルスが猛威を振るう2020年5月、トヨトミ自動車は翌年3月の業績予想を4,000億円と発表。2009年からトヨトミを率いる社長の豊臣統一は黒字の予想を出したと胸を張るが、日商新聞は利益9割減と報じた。憤まんやるかたない統一は日商を出禁にするが、記者の高杉文乃は不正車検を追って“トヨトミの母”と呼ばれる元女優の老女にたどりつく。統一がもくろむディーラー再編と、創業家の世襲に関わる彼女の秘密とは。虚実入り混じるストーリーが抜群に面白い企業小説だが、モデルは明らか。今回はトヨトミと並び、EV向けの車載用モーター事業に活路を見いだすワンマン社長の電機メーカー、織田電子も登場し、巨大企業の事業の継承という問題に切り込む。事業の継承に必要なのは、創業者の考えをそのまま踏襲することでも、血統でもなく、創業の精神とそこで働く人々の情熱を時代に合わせてつなぎ合わせること、という作者の主張は明快だ。一流の娯楽小説でありながら、日本社会にまん延する世襲問題にも警鐘を鳴らす。