ハーモニー
-
- ¥790
-
- ¥790
発行者による作品情報
〈ベストセラー『虐殺器官』の著者による“最後”のオリジナル作品〉これは、“人類”の最終局面に立ち会ったふたりの女性の物語――急逝した著者がユートピアの臨界点を活写した日本SF大賞受賞作。※本文中にHTMLタグのような表記がありますが、これは本書の仕様です。
APPLE BOOKSのレビュー
作家デビューした2007年の「虐殺器官」で日本SF界に彗星のごとく現れ、将来を嘱望されながら2009年3月20日、34歳の若さで急逝した伊藤計劃のオリジナル長編第2作目にして遺作。全世界で核戦争が起き、変異ウィルスが蔓延した大災禍(ザ・メイルストロム)を経て、人類は政府に代わる新たな統治機構「生府」の下、高度な医療経済社会を築いた。人々はWatchMeというソフトウェアを体にインストールすることで、常に体内を監視され、病気を予防する。そうした見せかけのユートピアに反旗を翻して自死を試みた3人の女子高生の生き残りである霧慧トァンは13年後、WHOの螺旋監察官として活動するが、世界的な同時多発自殺事件に遭遇。そこで、かつてともに自殺を試み、一人命を落としたはずの友人、御冷ミァハの影を見る…。本作は、著者の生死に関わる入院中の病床で、医療テクノロジーが人間に及ぼす影響を思考実験しながら書いたという壮絶な作品。人間の意識のありようにまで踏み込み、究極的に平和な社会の最終形態を描いた結末には驚きを禁じ得ない。「虐殺器官」と並び、世界を捉える哲学的な思考とエンターテインメント性を両立させた傑作SF。
カスタマーレビュー
百合
この小説こそが伊藤計劃という1人のオタクあるいは作家の集大成であると思う。
両極端に人は耐えられないのかな
なぜこんなにも惹き込まれるのか。
彼女たちの言葉ひとつひとつが今でも鮮明に心に残っています。
一つの映画を見ているみたい
最初に目次や文中のフォーマットに驚くかもしれませんが、そこまで気にする必要はありません。
最後まで読んだ後に意味が分かるので、分かったら英単語は後で調べても調べなくてもいいです。
展開はSF映画やドラマのようでドラマチックな場面が多いですが、テーマや最後の終わり方など思考実験的で考える楽しみもあります。
若干グロテスクなシーンがあるので注意です。
最後に関しては好みかは個人差があると思います。個人的にはとても気に入っています。