マザー・グースと三匹の子豚たち
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4.3 • 18件の評価
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発行者による作品情報
桐島かれん、桐島ノエル、桐島ローランド、類稀な3つの個性を、女手一つで育て上げた作家・桐島洋子の“放牧式”子育てとは。
40歳を目前にして、1年間の大休暇を宣言し渡米。古き良き70年代のイースト・ハンプトンを舞台に、自由で大胆な育児を楽しむシングルマザーの記録。
APPLE BOOKSのレビュー
エッセイストの桐島洋子が1970年代にニューヨーク郊外で3人の子どもたちと過ごした1年を綴ったエッセイ集「マザー・グースと三匹の子豚たち」。当時シングルマザーとして精力的に仕事をこなしていた著者は、子どもと向き合うために、あえて日本を離れ、アメリカの自然あふれる避暑地へ向かう。本書は痛快な語り口で紡がれる、破天荒ともいえる子育ての記録。英語がまったく話せない子どもたちを現地の学校に通わせ、夏休みにはサマーキャンプへ送り出し、自身は旅に出てしまう。一見、放任主義者にも思えるが、付かず離れずの距離感を保ちつつ、子どもの個性や自主性を尊重し、彼らが困ったときには彼女流の方法で手を貸して父親役までこなしてみせる。そうした根底に流れる著者の人間らしさと、あふれんばかりの愛情が心に響く。長女の桐島かれんは女優、次女の桐島ノエルはエッセイスト、長男の桐島ローランドは写真家という感性豊かなアーティストに成長した。才能が育まれた背景を知ることができるとともに、ハロウィーンやクリスマスをはじめ、大西洋での海水浴などアメリカ東海岸での理想的な1年の過ごした方を綴った極上の紀行文とも呼べるだろう。