七人のイヴ 上
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3.3 • 3件の評価
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- ¥1,600
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発行者による作品情報
ある日突然月が七つに分裂した。その後の月のかけら同士の衝突によって、2年後には無数の隕石が地表に降りそそぐ〈ハード・レイン〉が起き人類は滅亡する。各国政府は。人類の遺伝情報のサンプルや文化遺産のデータを未来に残すため、国際宇宙ステーション(ISS)を核とした“箱舟計画(クラウド・アーク)”を立案した。計画遂行のため、宇宙で生き残る1500人を選抜するべく各国は苦渋の決断を迫られる。人類の未来を俯瞰する破滅パニックSF大作!
APPLE BOOKSのレビュー
ヒューゴー賞やローカス賞など数々の受賞歴を持つSF作家、ニール・スティーヴンスンの「七人のイヴ 上」。ある日、月が破裂し7つの大きな塊になり、その粉塵により2年後に地球が滅亡することが明らかになる。本作の舞台は、滅亡を目の前にした地球と、ノアの箱舟のように地球上のすべての遺伝子を避難させることとなった国際宇宙ステーション(ISS)。過去にもナノテクノロジーなど近未来的な技術を作品に反映してきた著者であるが、今回は地球規模の困難に対して現実的なテクノロジーで立ち向かっていく等身大の人類の姿を、読者の身にも起こりうるかもしれない事態としてリアルに描き出す。また、世界を巻き込んだ物語のため、登場人物の出身地もさまざまで、国籍やバックグラウンドの違いから人々の思惑がすれ違っていく様子にも、現実味をもたせている。絶望的な状況から、人々はどのように解決の糸口を見いだしていくのか。人類の熾烈な生存競争の中、わずかな希望に懸ける人々の思いは胸に迫るものがある。壮大なスケールのストーリーが待ち受ける下巻にも期待が高まる。