三浦綾子 電子全集 裁きの家
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3.5 • 2件の評価
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発行者による作品情報
人は人を裁くことができるのか? 誰もが持っている人間のエゴイズムに光をあてた問題作!
「『家庭は裁判所ではない』ということを、わたしは度々口にする。しかし、現代は家庭もまた裁き合う場であって、憩いの場でもなければ、許し合う場でもなくなっていると言える。わたしは、現代の持つこの一つの問題を、親子、兄弟、夫婦、嫁姑の家庭関係の中で追求してみたかった。」(単行本「あとがき」より)。小田島博史と滝江夫婦、その息子・清彦、小田島謙介と優子夫婦、その息子・修一と弘二、そして姑・クメらが織りなす愛憎模様から、救いようのない現実の醜さを描く。
1970年(昭和45年)、1973年(昭和48年)に2度、テレビドラマ化され話題を呼んだ名作!
「三浦綾子電子全集」付録として、週刊誌連載時に取材旅行先で撮影した三浦夫妻の写真を収録!
カスタマーレビュー
xylo5
、
人が人を裁くこと
なんとも言い難い会話の続く小説である。噂好きの人にはたまらないであろう。ただ、これらはどの家庭でもありうる、よく考えてみれば自分にも当てはまるものではないか。エゴ、嫉妬、妬みや思い込み、人を人とも思わない嘘の数々。言いたい事を我慢するが芯の強い人間、ズケズケと言葉巧みに本音と嘘を繰り返す人間、意思はないが誘われてふらふら誘惑される人間。どの時代にもいる変わらない人間模様がはっきりと描かれている。人間は人を裁いてはいけないというのは、神だけが許される行為ということなのか。