亜愛一郎の逃亡
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4.8 • 4件の評価
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発行者による作品情報
フツ国国王、トレミー大博士の病状が回復。世界中の人々が愁眉を開いたというニュースの後、テレビは北海道・東北地方を襲った地震をマグニチュード7と告げた。突然の地震と大雪で、北国のホテルニューグランド宮後は一人の客もいなかった。追い打ちをかけるように殺人事件が発生、直後に犯人とおぼしき男が二人飛び込んできたが、追いつめた時、人魂が二つ飛んで二人はかき消えてしまった。亜愛一郎最後の事件簿、そして逃亡。
カスタマーレビュー
サモトラケのニャンコ
、
江戸の遊びこころ満載
亜愛一郎シリーズ読み終えました。40年前に「朝の読書タイム」で生徒のために学級文庫として都筑道夫、天藤真などと一緒に購入したのが初めてでした。
泡坂妻夫の作品は、登場人物に無駄なく役割を持たせ魅力的な作品に仕上がっており、江戸の遊び心を感じます。
最終話は、映画のエンデングのような感動を誰しもおぼえることでしょう。タネはあかせないのですが、「しあわせの書」「生者と死者」なども「なんだ これは!」と驚愕してしまいます。
奇術師、紋章絵師としても一流であるためでしょうか。緻密でトリッキーな、破綻のない小説になっています。可能であれば、主演は玉木宏でNHKの土曜ドラマで全話、再度TVドラマ化して欲しいものです。
小説家としてだけでなく、ゲーテ骨の発見者であるゲーテ。彼も形態学、色彩学、地質学でも一流であったと言います。泡坂妻夫は、現代のゲーテである。かな?