僕には鳥の言葉がわかる
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4.3 • 25件の評価
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- ¥1,700
発行者による作品情報
ようこそ シジュウカラの言葉の世界へ。
山極壽一先生(総合地球環境学研究所所長)絶賛!
「類人猿を超える鳥の言語の秘密を探り当てたフィールドワークは
現代のドリトル先生による新しい動物言語学の誕生だ」
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NHK『ダーウィンが来た!』をはじめ国内外のメディアが注目する気鋭の若き動物言語学者による初の単著、ついに刊行!
古代ギリシャ時代から現代に至るまで、言葉を持つのは人間だけであり、鳥は感情で鳴いているとしか認識されていなかった。
その「常識」を覆し、「シジュウカラが20以上の単語を組み合わせて文を作っている」ことを世界で初めて解明した研究者による科学エッセイ。
動物学者を志したきっかけ、楽しくも激ヤセした森でのシジュウカラ観察の日々、鳥の言葉を科学的に解明するための実験方法などを、軽快に綴る。
シジュウカラへの情熱と愛情あふれるみずみずしい視点に導かれるうちに、動物たちの豊かな世界への扉が開かれます。読後に世界の見え方が変わる一冊。巻頭口絵にはシジュウカラたちのカラー写真が、巻末にはシジュウカラの言葉を聞ける二次元コードつき。
※この作品にはカラーが含まれます。
※本書に掲載されている二次元バーコードは、デバイスの機種やアプリの仕様によっては読み取れない場合もあります。その場合はURLからアクセスしてください。
APPLE BOOKSのレビュー
鳴き声やジェスチャーから、動物たちの言葉の力を探究する世界初の学問、動物言語学のパイオニアである鈴木俊貴のエッセイ。大学時代、森の中で動物の観察に明け暮れていた著者は、シジュウカラが鳴き声で特定のメッセージを伝え合っていることに気付き、鳥の言葉の研究にのめり込む。やがて、シジュウカラが単語だけでなく文法構造までも使い分けていることを突き止め、人間以外の動物も言語を操るという世界初の発見へとたどり着く。国際的に高い評価を受ける研究者でありながら、その筆致はほのぼのとして、親しみやすい。虫や魚に目を輝かせていた少年時代の好奇心が、今も彼の探究心を突き動かしていることが行間から伝わってくる。鳥の文法能力を解き明かすために、ルー大柴の“ルー語”からヒントを得るなど、その発想は驚くほど柔軟でユニーク。この本を読めば、言語とは人間だけのものではないと自然に理解できる。そして、種の違いさえも超えて交わされる野鳥たちの言葉に触れた瞬間、世界は一気に広がり、著者と同じように胸が高鳴る。
カスタマーレビュー
鳥の言葉を知ると、世界の見え方が変わる
鳥にも言葉がある——常識を覆す研究を、科学的に証明した鳥類学者のエッセイ
著者は鳥の観察を続けているうちに動物は言語を持たないという常識に疑問を抱き、四年間の実地調査を通じて論文を書き上げた。著者自身は鳥の鳴き声に意味があることを以前から体験的に知っていたが、それで満足せず、科学的に証明した。その上で、世の人に知ってもらうためSNSや講演会を続けている。主な研究対象はシジュウカラだが、他の動物たちにも温かい視線を向け、研究者としての鋭い洞察を交えている。人間だけが特別なのではなく、すべての動物が関わり合って生きていることを教えてくれる。
コミカルな語り口で、生物学の知識がなくても、バードウォッチャーでなくても、エッセイとして十分に楽しめる。全人類に読んでほしい一冊。