公家武者 信平 消えた狐丸
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- ¥690
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発行者による作品情報
公家大名として知られる実在の人物・松平信平の物語。公家から武家となった信平が、幕府転覆を目論む強敵を秘剣・狐丸で倒してから三年、愛妻・松姫、愛息・福千代との平穏な生活を送っていた信平だったが、命を狙われた松姫の心の傷は未だ癒えない。しかし、剣客を狙う辻斬りが出没していると聞いた信平の心に正義感が蘇る。封印した愛刀がついに鞘から抜かれるのか? 大人気・公家武者新シリーズ、講談社文庫より見参!
APPLE BOOKSのレビュー
実在した京の公家武者が、江戸で正義を貫く痛快時代小説の人気シリーズ第2弾。京の名門、鷹司家に生まれながら、3代将軍家光に嫁いだ姉を頼って江戸に出てきた信平は、松平姓を与えられ武士となる。前シリーズでは、幕府転覆をもくろむ強敵を倒して妻を守り、平穏な暮らしを取り戻した信平。今作では、4代将軍家綱の信頼を得て、赤坂に屋敷を構える立派な旗本に成長している。頼りになる仲間や家臣もできたが、病弱な愛妻、松姫が心配の種。そんな時、ある事件をきっかけに信平の正義感に再び火が灯る。妻の優しさ、息子の期待を受け、封印した秘剣、狐丸が再び放たれた時、江戸の町に平和が戻るのか。前作から3年後という設定だが、妻や成長した息子、さらに家臣など、仲間が増えたことで話の奥行きと幅が広がっている。登場人物たちとの人情物語と、荒武者の撃剣とはひと味違った優雅な戦いとのバランスが絶妙。実在の人物をモデルにして、作者が巧みに史実を織り交ぜながら作り上げた信平というキャラクターに引き込まれる。