利己的な遺伝子 40周年記念版
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- ¥2,400
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発行者による作品情報
ドーキンスによる「40周年記念版へのあとがき」が新たに収録された、世界的ベストセラーの最新版
「英国史上最も影響力のある科学書」 第1位
私たちはなぜ、生き延びようと必死になり、なぜ恋をし、なぜ争うのか?――
本書で著者は、動物や人間の社会で見られる、親子間の対立や保護行為、夫婦間の争い、攻撃やなわばり行動などがなぜ進化したかを、遺伝子の視点から解き明かす。
自らのコピーを増やすことを最優先とする遺伝子は、いかに生物を操るのか?
生物観を根底から揺るがす衝撃の事実を鮮やかに描き出した本書は、1976年の刊行以来、分野を超えて多大な影響を及ぼし続けている古典的名著である。
【前の版からの変更点】
・ドーキンスによる「40周年記念版へのあとがき」を追加
・古くなった表現、表記を変更
・装幀と本文レイアウトを刷新
* * *
『利己的な遺伝子』は世界を一変させた本である。
正確に言うと、世界に対するぼくたちの見方を一変させた本だ。
それは、まさに科学革命と呼ぶのにふさわしい。
この一冊の書物によって、温かくて親しみやすい生物の世界は、ドライでクールなデジタル情報の世界に変換された。
これを読まずして、生物やゲノムや脳科学やAIやロボットや社会や経済について、語ることはできない。
――佐倉統(東京大学大学院情報学環・教授)
APPLE BOOKSのレビュー
動物行動学者にして進化生物学者のリチャード・ドーキンスが著し、1976年に刊行されるや世界的ベストセラーとなった名著。科学書でありながら数式は最小限にとどめ、集団遺伝学と動物行動学の観点から「利己的な遺伝子」の存在を主張する。それまでの生命観を覆す理論は世界中に大きな衝撃を与え、科学界のみならず哲学や人文科学の分野でも論争を巻き起こした。親が身をていして子を守るように、生物は一見利他的と思える行動を取ることがあるが、それは自らの意思ではなく、遺伝子の生存に有利に働くからなのである。そればかりか生物とは遺伝子によってプログラミングされた機械であり、遺伝子がコピーを広めるために利用する乗り物なのだ、という理論をドーキンスは鮮やかに説く。さらに、遺伝子にとって安定した進化の戦略を考察しながら「自分の子どもをすべて公平に扱うのは母親にとって常に有利か」「男が浮気をするのはなぜか」といった身近なテーマや「囚人のジレンマ」を解き明かす思考実験も興味深い。とりわけ、雄と雌の戦略が違うのは性細胞の大きさの差が原因だとする説は、単純にして明快。時代を経ても色あせない教養の書として必読の一冊。