君のクイズ
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発行者による作品情報
『Q-1グランプリ』決勝戦。クイズプレーヤー三島玲央は、対戦相手・本庄の不可解な正答をいぶかしむ。彼はなぜ正答できたのか? 真相解明のため彼について調べ決勝を1問ずつ振り返る三島は──。一気読み必至! 鬼才の放つ唯一無二のクイズ小説。
APPLE BOOKSのレビュー
直木賞作家が描く、クイズ番組を舞台にした新感覚の思考ミステリー『君のクイズ』。クイズ番組「Q-1グランプリ」の決勝戦に進んだ三島玲央は、長年クイズを愛し、失恋した過去の恋の思い出すらもクイズの正解への糧とするクイズおたくだ。一方、ファイナリストに残ったもう一人の対戦相手、本庄絆は人智を超えた暗記力の持ち主であり「クイズの魔法使い」という異名を持つ東大医学部の4年生。ドローで並んだ最後の問題で、本庄絆はアナウンサーが問題を一文字も読んでいないにもかかわらず、正解を読み上げ、優勝を果たした。果たしてなぜ、彼は解答できたのか。番組側のやらせなのか、それとも…。この出来事が炎上した結果、番組側はあいまいな回答をし、当の本庄絆は行方をくらませた。しかし、彼がやらせで答えたように見えなかった三島は、真相解明のため、本庄の今までの出演番組を研究し、彼自身について調べ始める。「世界は知っていることと、知らないことの二つで構成されている。知っているということは、自分の人生に関わっていたこと。そして人生の一コマがクイズ問題として出題されているのだ」。そう言い切る生粋のクイズプレイヤー三島の思考が目新しく、彼の真相解明への誠実な道のりに、こちらものめり込んでしまう。