地図と拳
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- ¥2,600
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発行者による作品情報
【第168回直木賞受賞作!】
【第13回山田風太郎賞受賞作!】
「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」
日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。
ひとつの都市が現われ、そして消えた。
日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。
APPLE BOOKSのレビュー
壮大なスケールの架空歴史小説。満州の架空の都市に引き寄せられた男たちの生きる姿を通して、日露戦争前から第2次大戦終結後までの約50年間を淡々と描く。スパイに帯同した軟弱そうな日本人、鉄道網拡大のために派遣されたロシア人宣教師、叔父にだまされて不毛の地へと流された中国人。多くの登場人物は道しるべとなる地図と戦うべき拳を持つ一方、それらは偽りの情報や暴力にもなり振り回される。土ぼこりや腐った水、血の臭いさえ感じられるような表現力が際立つ。次々と起きる史実である国家間の戦争と、そこで生きる人々の人間ドラマが融合し、著者の得意とするSF的要素、中国の幻想小説的要素まで織り込まれる。激動の時代をそれぞれの視点で描くことで、国同士の争いとは、決して正義と悪の戦いではないと痛感させられる。時代のうねりの中で、国や立場によってまったく違った視点があることを知り、タイトルに込められた意味にもう一度思いをはせたくなる読後感がある。
カスタマーレビュー
超長編
長かったー!笑
とりあえずあんまり小説を読まない自分にしてみれば、人の名前が多過ぎて誰が誰だか分からず笑
なので一気に読み込めばもっと楽しめるかなー