大正學生愛妻家(1)
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4.9 • 43件の評価
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発行者による作品情報
大正10年、東京市――。女中としてお屋敷で働く24歳のふきは、帝国第一高校進学のために帰京した橘家の子息・勇吾と再会。婚約が破談となっていたふきは、「嫁探し」を命じられているという勇吾の求婚を受けてしまう。結婚に親の許しが必要だった時代、健気な女中とエリート学生の身分差・年の差新婚生活が始まる。
APPLE BOOKSのレビュー
大正10年の東京を舞台に、けなげな女中とエリート学生の新婚生活を描くラブストーリー。由緒ある士族の橘家に奉公する女中「ふき」は、亡き父が残した多額の借金が発覚したことで、婚約破棄の憂き目にあう。そんな境遇でも前向きに働く彼女の前に現れたのは、日本最難関の帝国第一高校に入学するため、6年ぶりに帰ってきた御曹司の勇吾。橘家の後継者として早急に結婚することを命じられた勇吾は、幼少時代を一緒に過ごしたふきに対し、「俺の妻になるか?」と突然告げるのだった…。本作で描かれる約100年前の日本は、根強い固定観念の数々にとらわれた社会だ。男女の扱い、身分の差、年相応のあるべき姿といった、さまざまな社会の常識に真正面から向き合う二人の関係に、思わずエールを送りたくなる。