天冥の標 I メニー・メニー・シープ (上) 天冥の標 I メニー・メニー・シープ (上)
天冥の標

天冥の標 I メニー・メニー・シープ (上‪)‬

    • 4.7 • 13件の評価
    • ¥720
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発行者による作品情報

西暦2803年、植民星メニー・メニー・シープは入植300周年を迎えようとしていた。しかし臨時総督のユレイン三世は、地中深くに眠る植民船シェパード号の発電炉不調を理由に、植民地全域に配電制限などの弾圧を加えつつあった。そんな状況下、セナーセー市の医師カドムは、《海の一統》のアクリラから緊急の要請を受ける。街に謎の疫病が蔓延しているというのだが……小川一水が満を持して放つ全10巻の新シリーズ開幕篇。

ジャンル
SF/ファンタジー
発売日
2009年
9月25日
言語
JA
日本語
ページ数
352
ページ
発行者
早川書房
販売元
Digital Publishing Initiatives Japan Co., Ltd.
サイズ
723.3
KB

カスタマーレビュー

knexp

序章ながら単独でも面白いSF冒険譚

この1巻から始まって10巻まで、とても濃い長編でした。

シリーズの通奏低音としては、異端や異物に接したときの人間の不寛容や残酷さに対する批判的問いかけがあるのかなと思いました。(作中では、これがその後の宇宙的スケールの悲劇の要因になった)

乱暴な言い方をすれば、1巻のあと途中を飛ばして8〜10巻を読めば、それで話の筋が通り完結します。(時系列が直接繋がっているため)
ですが、8巻に至るまでに、時が数世紀単位で遡って、1巻の登場人物やその祖先またはそれぞれの属する種族が背負ってきたものが、2巻から7巻までに一時代ずつ描かれます。その間は、少し盛り上がりに欠ける巻があったことも事実です。ただ、そうして迎えた最終幕である8巻以降は、そこまでの背景や伏線の全てが集約され、『何とか報われて欲しい』という気持ちでよりのめり込むことが出来ました。

そういうシリーズの第1巻ですが、もちろん最後に次巻以降への伏線は残るものの、単独でも生き生きとしたSF冒険譚として成立しており、まずは気軽に読まれることをお勧めします。

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