妖の掟
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4.7 • 12件の評価
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- ¥880
発行者による作品情報
時代を越えて生きる一族、闇神(やがみ)の紅鈴と欣治。ある夜、暴行されていた情報屋の圭一を助けたことから親しくなる。圭一の仕事を手伝ううち、大和会系組長3人殺しに関わることに。一方、紅鈴たちに忍び寄る影もあり……。闇夜にヤクザと警察とこの世ならぬものが入り乱れる。誉田ワールド全開、傑作ノワール!解説・大矢博子
※この電子書籍は2020年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
APPLE BOOKSのレビュー
正体を隠し、風俗嬢とそのヒモとして生きる和製ヴァンパイアたちが闇社会の抗争に巻き込まれるミステリー×ノワール×ホラー×バディの要素が詰まった規格破りの怪作。誉田哲也のデビュー作『妖の華』から17年の時を経て刊行された、シリーズ2作目となる本作の舞台は『妖の華』の3年前。ある日ヤクザに袋叩きにされていた辰巳圭一は、坊主頭の男と陶器の人形のように白い肌の女に助けられる。欣治(きんじ)と紅鈴(べにすず)と名乗る、夫婦にも兄妹にも見える不思議な2人組は、情報屋の仕事を手伝う代わりに圭一の家に住まわせてほしいと言い出し、3人の奇妙な共同生活が始まる。ところが2人は飲み食いする姿を一切見せず、陽の光を嫌うなど、生活に不可解な点が多かった。実は2人の正体は人ならざるもの、人間の生き血をすすって生きる“闇神(やがみ)”だった。超絶美形だけれど口が悪く自由奔放な紅鈴とそんな紅鈴を陰ながら支える欣治との絆、そして『妖の華』で語られた“組長三人殺し”の詳細が今明かされる。