



幼年期の終わり
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4.7 • 21件の評価
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- ¥770
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発行者による作品情報
地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とは何なのか? 異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を、SFの巨匠クラークが哲学的に描いた傑作。初版刊行から36年後、現代に合うように著者が物語に調整をほどこした新版、初の邦訳!
APPLE BOOKSのレビュー
ある日突如として世界中の都市上空に現れた巨大な宇宙船群とそれによってもたらされた人類の未来を哲学的に描いた、古典SF史上に燦然(さんぜん)と輝く名作『幼年期の終わり』。冒頭のファーストコンタクトのシーンをはじめ、後のSF小説や映画などに多大な影響を与えた作品だ。ある日地球に出現し、戦争や食糧難など、あらゆる苦悩から人類を解放した異星人たち。誰からともなく「オーヴァーロード(最高君主)」と呼ばれるようになった異星人たちだが、人類の不満は地球にやってきた真の目的もその姿形も明かされないことにあった。やがてオーヴァーロードは人類の思いを受け、50年後にその姿を現す約束をする。そして50年を経て、人類が対面したのは夢にも思わぬ姿だった。一方、オーヴァーロードがもたらした平和は人類の魂の破滅につながっているのではと疑念を抱く人々がコロニーを作り上げるが、やがてそこに住む子どもたちに変異が現れる。『幼年期の終わり』というタイトルが指し示す通り、広大な宇宙に関して全くの無知であった無邪気な時代を終え、宇宙の秩序のため進化していく人類の姿が描かれている。その結末はディストピアとも、人類にようやく訪れた救済ともいえるだろう。