御社のチャラ男
-
-
3.0 • 1件の評価
-
-
- ¥880
-
- ¥880
発行者による作品情報
コロナ禍直前の2020年初頭に刊行され、各紙誌書評で絶賛された著者の“会社員”小説史上最高傑作ともいえる『御社のチャラ男』が、ついに文庫化!
いませんか?
こんなひと。
どこにでもいる、軽くて世渡り上手なチャラ男。
わかっていますか、本当の彼のこと。
組織に属する「私たち」の実態にせまる“会社員”小説の傑作!
ジョルジュ食品はオイル、ビネガーなどの商品を扱う地方の小さな会社だ。
社長のコネでやってきた三芳部長は、社内でひそかにチャラ男と呼ばれている。
自分には自分がないと悟る三芳と、彼のまわりの人々が彼を語ることで見えてくる、この社会に生きる私たちの現実。
すべての働くひとに贈る傑作“会社員”小説。
「どこか滑稽な書名に騙されてはいけない。ここに描かれるのは、組織なるものの実態であり、現代社会の問題や病理であり、働いて生きていくという営みの本質である。ジョルジュ食品という、地方の小さな会社を舞台にして。よりによって、チャラ男を軸に据えて。(略)頁を閉じたとき、きっと誰もが、濃密な塊を受け取ることになる。言葉で容易に説明できないその塊は、読者個々の体内を長い時間掛けてさまよう。本作で得たものと、私たちは共に生きていく」(木内昇「解説」より)
APPLE BOOKSのレビュー
芥川龍之介賞、谷崎潤一郎賞など数々の文学賞を受賞している絲山秋子による会社員小説「御社のチャラ男」。あなたの会社にも私の会社にもきっと一人はいるだろう「チャラ男」なる人種。地方中小企業のジョルジュ食品、部長に鎮座する三芳道造(44歳)は、社員からひそかに「チャラ男」と呼ばれている。黒のアウディを愛車に、茶色の髪と小洒落たスーツ。社内や取引先などさまざまな立場の人々が、おのおのの人間模様の中での三芳部長の「チャラ男」について語る群像劇。会社で働いたことがある人なら、「あるある!」「そうそう!」と共感できる場面も数多いはず。昭和から長らく続く古い企業体制の世知辛さや、男女格差、過労による心の病など、会社員だった過去を持つ著者ならではの観察眼が光る秀作。