滅茶苦茶
-
-
4.0 • 22件の評価
-
-
- ¥1,000
発行者による作品情報
いい気味だ……
予測不能の展開、予想外の読後感。絶叫系転落ミステリー!
映画化決定の話題作『悪い夏』『正体』を超える切迫感!
終わりの見えない転落人生。こんな目にはあいたくない……。
不穏な恋愛にのめり込む、30代キャリアウーマン。不良に堕ちた元クラスメイトに再会した、エリート進学校の高校生。ラブホテルの経営不振に喘ぐ、3人の子持ちの中年男性。
刹那な現代をサバイブしながらも、孤独を胸底に抱える者たちの欲望に駆られた出会いは、彼らをまっさかさまに谷底に突き落とす。
「いい気味」か「かわいそう」か? 彼ら自身が招いた命からがらの転落劇。滅茶苦茶なんだけど最悪じゃない!
―吉田大助(書評家)
予想外の読後感! 転落人生の奇蹟の交錯が閉塞感に風穴を開ける、これぞ染井マジックというべき快作。
―宇田川拓也(ときわ書房本店)
APPLE BOOKSのレビュー
新型コロナウイルス感染拡大のために東京オリンピック2020の延期が正式決定し、入手困難なマスクの奪い合いに人々がいら立ち、緊急事態宣言の延長に閉塞感を抱えていたあの頃。悪事に手を染めながら人間らしさを失わない人々を主人公にするミステリー作家の染井為人が、鬱々(うつうつ)とした当時の空気を再現する。コロナ禍のせいで人恋しさにマッチングアプリを始めた独身の女性会社員、進学校で落ちこぼれたまじめな男子高校生、親から受け継いだラブホテル経営が火の車になった一家の大黒柱。日常生活と懐事情が激変したごく普通の3人は、孤独と不安につけ込まれて泥沼にはまっていく。地獄行き片道切符のエピソードは、ニュースや週刊誌で見聞きしたことのあるような、ないような。「なぜその道を選ぶ?」と一歩引き気味で読み始めても、一人称の軽い文体とスピード感に巻き込まれ、“滅茶苦茶”すぎるクライマックスにのめり込んでいくこと必至。ポストコロナ時代に送り込まれた爽快なエンターテインメント小説。