脳科学者転生(1‪)‬

APPLE BOOKSのレビュー

気鋭の脳科学者が、初のマンガ原作を手掛けた異世界転生エンターテインメント。論文の締め切りに追われる科学者の中野信子は、カフェインを大量摂取して倒れてしまう。意識を取り戻した彼女の目に飛び込んできたのは、まるで中世ヨーロッパを思わせる見慣れない風景。「これは夢だ」と判断した信子はバカンス気分でその状況を楽しむことにするが、実はそこは、常識で説明できない出来事を“呪い”だと決めつける異世界だった…。科学の知識を駆使して、次々と降りかかる難題を解決する信子が「分からないことを放っておけない」という科学者の誇りと共に、いつしか世界の救世主になっていく展開は痛快の一言。異世界転生マンガのセオリーを生かしながら、現代科学の役割や知識を正しく理解させてくれる良作だ。