草木成仏の思想:安然と日本人の自然観 草木成仏の思想:安然と日本人の自然観

草木成仏の思想:安然と日本人の自然‪観‬

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発行者による作品情報

「草木が成仏する」という思想のルーツに迫る

「草木などの植物も仏になる」という草木成仏論は、いつ、どのように生まれてきた思想なのか?――それは単なる「自然の賛美」でもなければ、「日本古来の自然観」でもない。平安時代に注目され、議論されてきたその思想を根拠から問い直し、自然との向き合い方を再考する。


「山川草木悉皆成仏」は間違っていた!

日本古来の自然観を代表するかのように扱われる「山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)」という言葉。しかし、仏典にも日本の古典にも、この言葉は存在していなかった――「草木も成仏する」という草木成仏論は、本来の仏教思想ではなく、平安時代の日本の天台僧・安然(あんねん)が、中国天台の著作を大胆に解釈することによって生まれたものであった。現代日本を代表する仏教学者が、安然の思想がどのように生まれたのを丹念に検証しながら、日本人の自然観や災害観をあらためて考える。


安然『斟定草木成仏私記』現代語訳を収録


【目次】


第1章「山川草木」と「草木国土」


第1節「山川草木悉皆成仏」は間違っている

第2節草木成仏論の前提

第3節忘れられた大思想家安然


第2章草木は自ら発心・成仏するか―安然『斟定草木成仏私記』の世界


第1節『斟定私記』の成立と概観

第2節さまざまな草木成仏説

第3節心の真理と草木成仏

第4節草木成仏論の深化

第5節密教的草木成仏論へ


第3章草木成仏説の基礎付け―安然の密教思想と草木成仏


第1節草木成仏論の解決へ向けて

第2節すべてを統合する「一即一切」

第3節根源としての真如

第4節真如と草木成仏

第5節真如の深みへ


第4章日本人の自然観と草木成仏


第1節本覚思想とその批判

第2節密教と禅の草木論

第3節東アジアの思想と草木成仏

第4節「自然」とは何か

第5節顕冥の世界観と草木成仏


第5章自然と災害を考える


第1節災害天罰論再考

第2節日本人の災害観

第3節自然の奥へ


付現代語訳『斟定草木成仏私記』


〔1〕諸宗の説を論ず

〔2〕唐決をめぐって

〔3〕当今日本の議論

〔4〕円意の開顕


あとがき

文庫版あとがき

サンガ新社版あとがき

参考文献

ジャンル
ノンフィクション
発売日
2024年
6月5日
言語
JA
日本語
ページ数
270
ページ
発行者
サンガ新社
販売元
CREEK & RIVER CO LTD
サイズ
5.8
MB
日本思想史 日本思想史
2020年
日本宗教史 日本宗教史
2006年
日本仏教入門 日本仏教入門
2014年
日本の思想をよむ 日本の思想をよむ
2020年
増補 日蓮入門 ──現世を撃つ思想 増補 日蓮入門 ──現世を撃つ思想
2010年
現代仏教論 現代仏教論
2012年