虐殺器官
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- ¥790
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発行者による作品情報
9・11を経て、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……彼の目的とはいったいなにか? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは? ゼロ年代最高のフィクションが電子書籍版で登場。
APPLE BOOKSのレビュー
早世した天才SF作家、伊藤計劃の名を世に知らしめた衝撃のデビュー長編。2007年に刊行されるや絶賛を浴び、ゼロ年代を代表する日本のSFとなった。舞台は9.11以降の近未来。イスラム原理主義者による手作り核爆弾でサラエボが消失し、テロとの戦いが本格化した。先進諸国は政府による市民の監視と認証を徹底し、自由と引き換えに安全を得たが、途上国では内戦と大量虐殺が急増。虐殺の現場には常に謎の米国人、ジョン・ポールの影があった。暗殺を請け負う米国特殊部隊のクラヴィス・シェパード大尉は、ジョン・ポールを追ってチェコに向かい、ジョンのかつての恋人、ルツィアと接触するのだが…。“言葉が人を殺す”。黒沢清監督の映画『CURE』を思わせるような、「虐殺の文法」の不可解さもさることながら、動機の意外性が強烈。軍事謀略スリラーとしても一流で、ミステリーとしての評価が高いのもうなずける。もちろん痛みを鈍化させる痛覚マスキングや人工筋肉など、SF小説としてのディテールも的確。それが他者に対する無感覚という現代の社会問題と通底しているのは言うまでもないだろう。終末が無限に波紋を広げるような黙示録的なエピローグもすさまじい。必読の傑作。
カスタマーレビュー
おもしろかった
著者の作風なのか、心理描写が多かったので、話のテンポはイマイチだが、SF作品として上位に入る面白さだった。好みは分かれる作品だと思う。
ぼくはハーモニーのほうが好きだけど
アニメ版など見なくていいこの原作が全てだ
言葉
一つ一つの言葉がエグい。考え方が変わる。
言葉が好きな人は物語に引き込まれていくと思う。