雨に消えた向日葵
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4.1 • 113件の評価
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- ¥850
発行者による作品情報
埼玉で小五女子が失踪。県警の奈良も捜査に入る。錯綜する証言、意外な場所で出た私物、男に目を付けられていた――情報は集まるも少女は見つからない。捜査本部が縮小されるが、奈良は捜し続ける。彼を駆り立てるのは、かつて見知らぬ男に陵辱され、今も心に傷を負う妹の存在だった。奈良の執念は少女発見に繫がるのか。警察小説の新旗手、最高傑作。
APPLE BOOKSのレビュー
吉川英梨による長編ミステリー小説『雨に消えた向日葵』。『女性秘匿捜査官・原麻希』や『新東京水上警察』などのシリーズで人気を集める警察小説の旗手が、本作ではエンターテインメント性を抑え、地道な捜査過程を丹念につづり骨太なミステリーに仕上げた。ある日、埼玉県坂戸市で小学5年生の石岡葵が失踪した。最後の目撃情報は豪雨の中を一人歩く姿。現場には1本の傘しか残されていなかった。家出なのか、誘拐なのか、事故なのか。意外な場所で葵の私物が発見されるものの、手がかりとなる証言は錯綜(さくそう)する。県警捜査一課の刑事、奈良は必死に葵の痕跡を捜し続けるが、果たして彼の執念は葵の発見につながるのか…。捜査は難航を極め、時間だけが無情に過ぎていく。劇中の人物同様に焦燥感が募り、ページを繰る手を止められない。スリリングな捜査劇である一方、離婚調停中の両親や、高校受験を控える姉の沙希ら、犯罪に巻き込まれた被害者家族の物語でもある。それはまた奈良の執念の背景にもなっており、エピローグを飾るもう一つのドラマが温かな余韻を残す。
カスタマーレビュー
セゾンネコ
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大ヒットの¥100ブック
たまたま100円セールだったので購入。この著者の作品は今回初めてですが、最高に面白かった。刑事ものミステリの中では一番好きな本の一つ。奈良刑事の人間性が熱くてグイグイ引き込まれ、読み応えのある長編です。