霧の彼方 須賀敦子 霧の彼方 須賀敦子

霧の彼方 須賀敦‪子‬

    • ¥2,800
    • ¥2,800

発行者による作品情報

生涯にわたり信仰と文学の「コトバ」に共振し、『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』『ヴェネツィアの宿』『ユルスナールの靴』など、晩年に稀有な作品を遺した須賀敦子。高い評価を得たエッセイや訳書のほか、没後も詩集や書簡集も含めて刊行が続いた。これらの作品を生み出した69年の生涯は、さまざまな「コトバ」に支えられていた。キリスト教への入信、2度の欧州留学、カトリック左派の流れを汲むミラノのコルシア書店での活動、夫ペッピーノとの出会いと別れ、帰国後に没頭した貧困者支援のエマウス運動、そして文壇を刮目させた初のエッセイ集の上梓――。同じキリスト者である著者が、同じ情熱を以て須賀敦子の「たましい」に迫る、圧巻の評伝。[本文より]イタリアに渡り、コルシア書店で働く以前は本を読み、書店に関係するようになってからは翻訳に従事し、ときに本を売った。帰国後、彼女は研究者となり、再び本を読み、そして、あるときから自ら本を書くようになった。信仰を抜きにした須賀敦子を語っても、蝉の抜け殻を見るようなものだが、本との関係を無視した言説も同質の幻影をもたらすだろう。信仰と書物、ここに流れる雄渾な歴史が須賀敦子の土壌だった。

ジャンル
ノンフィクション
発売日
2020年
6月30日
言語
JA
日本語
ページ数
480
ページ
発行者
集英社/集英社文芸単行本
販売元
Shueisha Inc.
サイズ
1.3
MB

若松英輔の他のブック

考える教室 大人のための哲学入門 考える教室 大人のための哲学入門
2019年
悲しみの秘義 悲しみの秘義
2019年
「利他」とは何か 「利他」とは何か
2021年
生きる哲学 生きる哲学
2014年
不滅の哲学 池田晶子 不滅の哲学 池田晶子
2020年
本を読めなくなった人のための読書論 本を読めなくなった人のための読書論
2019年