



食肉の帝王
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3.6 • 5件の評価
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- ¥950
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発行者による作品情報
“最後のフィクサー”浅田満のすべてを暴く3000坪の大豪邸に住み、一日に2億円稼ぐ男。山口組五代目から星野仙一まで、政・官・財・暴に隠然たる影響力を持つハンナングループ総帥のタブーに迫る!!
APPLE BOOKSのレビュー
果敢な取材で知られるノンフィクション作家・溝口敦が、行政の隙間からこぼれ落ちた利権を巧みに吸い上げることにより、一代で巨万の富を築き上げた男の素顔に迫った「食肉の帝王」。一般のメディアが触れないような社会問題について、ジャーナリスティックな視点から追求していく姿勢に定評がある、著者の手腕が光る一冊。取材不可能といわれた業界に大胆にも踏み込み、関係者の肉声や資料を手掛かりに、国内有数の食肉会社グループの総帥として君臨した、浅田満の実像を明らかにしていく過程が緻密に描かれている。中でも、BSE騒動を悪用した偽装牛肉のからくりや、公金を還流させることで得られた資金を背景に、有名政治家から反社会的勢力、芸能界やスポーツ界の名士まで手玉に取ったという事実は、多くの読者を驚かせる。日本社会の表と裏の両面を暗躍するフィクサーとして、あらゆる力を一手に握った浅田が、本作が雑誌連載されたことをきっかけに逮捕に至ったという面からも、社会に大きなインパクトを与えた作品。刺激的な内容とドラマチックな展開で、最後にはまるでサスペンス映画を見終えたような読後感が味わえる。